言いたいことを分かってもらうために!3つの「言葉のフォロー」を教えてやんよ。
withonlineで85回目のコラムがアップされました。
今回のテーマは、「頑張れと言わない方がいい理由」についてです。
うつ病の人に「頑張れ」と言ってはいけないといわれていますが、現在ではこの言葉自体をあまり使わない方がいいという風潮があります。
その理由としては、こちら。
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- 1・すでに頑張っている人にプレッシャーを与えるかもしれないから
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- 2・頑張れと言うくせに具体的な指示がない場合がほとんどだから
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- 3・そもそも上から目線だから
「頑張ってね」「頑張ってください」と言い方を変えてもそれは同じで、僕自身も昔から人にそう言われる度になんだか複雑な気持ちになっていた1人です。
それにしても、言葉って非常に難しい。
だって、何を言ったらダメで、何だったら良くてっていう正解があってないようなものじゃないですか。
中には、「相手に不快な思いをさせるぐらいなら、最初から言わない方がいい」と思って、本当は伝えたい言葉を封印している人も多いはず。
「言い方」に関しては下記記事でもお話しましたが、普段思っていることが言えない人ほど言葉を言語化した習慣がないので、やはり言葉を発していくことでしか、言い方は磨かれていきません。
【人間関係で損をしない言い方】
しかし、たとえどんなに言い方に気をつけたとしても、失言って生まれることがあるんです。
余裕がないとき、感情的になったとき、物事が上手くいっていないときなど、いつもなら言わないような言葉をつい言ってしまうときもありますからね。
その答えは、言葉を伝える前と伝えた後の「フォロー」にあるんです。
このフォローとは一体どういうものなのか?
今回のブログでは上記記事の続編として、「言葉のフォロー」について詳しくお話させていただきます。
目次
相手が間違った解釈をした時点で、失言になることがある。
基本的に、失言を完璧に防ぐことはできないと思った方がいいです。
それは文章を書くプロである僕も同じで、どんなに言い方を考えて文字を起こしても、読む人によっては、不快に感じることだってあるんですよ。
つまり、失言につながるかどうかって、言う側の人間の言い方もあるけれど、受け取り手の解釈も大きく関係しているということです。
あなたにとっては、何の悪気もなく言った言葉なのに、相手を怒らせてしまった経験はないでしょうか?
そのとき、次のようなことを思ったはずです。
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- 「そういうつもりで言ったんじゃないのに」
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- 「なんでそういう捉え方をするんだろう?」
なぜこのようなすれ違いが起こるかというと、受け取り手の精神状態によって解釈が変わるからなんですよ。
だから、ただ元気がなさそうだから励ましただけなのに、
と言われることがあったり、
ただ良いことがあって話したかっただけなのに、
なんて言われたりすることがあるわけです。
人って余裕がないときほど優しくできないし、物事の見方が歪むときがありますからね。
そのとき、人の善意を素直に受け取ることができないし、上手くいってる人を妬んだりすることはよくあります。
失言することにビビっていては何も言えない。
じゃあ、相手の精神状態が悪いときは
何も言わない方がいいの?
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、そうすると何もコミュニケーションが取れないじゃないですか。
生きてたら良いことも悪いことも普通に起こるし、その時の相手の精神状態を事前に分かった上でコミュニケーションが取れる人なんていません。
よほど相手の顔色が悪いとか、雰囲気がめちゃめちゃ暗いとかでもない限り、言葉をかわさず相手の精神状態を知ることなんてできないですからね。
とはいえ、「なんか様子が変だな?」と感じたとき、相手の精神状態を知るための質問はあるので、次のように聞いてみてはいかがでしょうか。
「あれ?ちょっと元気ないように見えるんだけど、なんかあった?」
「今日いつもとテンション違う感じがするけど、気のせい?」
このように聞いて、どう答えるかは相手次第です。
「実はさ」と様子がおかしくなった原因を打ち明けてくれるかもしれないし、「いや別に?」と何もなくてこちらの思い違いかもしれないし、ただ疲れてたり眠たかったりするだけかもしれない。
明らかに様子がおかしいわけじゃないけど、どことなく変な感じがするなという時は、「何かあった?」というように、まず一声かけてみてください。
そうすると、相手の事情を知ることができるので、その上で言い方を考えることができ、失言率を低くすることが可能です。
言葉を伝える前と伝えた後の「フォロー」について。
冒頭でお話した「フォロー」についてですが、この言葉の意味は2つに分かれます。
1・失言率を下げるためのフォロー
2・発言や失言した後のフォロー
分かりやすく言うと、「1」はワンクッション言葉になりまして、「2」は追記や火消し言葉になります。
どういうことか1つずつ解説させていただきますね。
フォローその1・ワンクッション置く
ワンクッションを置くのはどういう時かというと、言いづらいことや聞きづらいことを言う場面で「前置き」として使います。
たとえば次のように。
「ちょっと言いづらいことなんだけど」
「気を悪くしたら申し訳ないんだけど」
「あなたを責めてるわけじゃないんだけど」
「勘違いを防ぐために最後まで聞いてほしいんだけど」
「私には計り知れないことだけど」
このように、話しをする前にワンクッション言葉を置くことで、本題の内容を受け入れてもらいやすくなります。
言う側の人間も、「そう言ったからには」という意識が芽生えて、言いづらいことや聞きづらいことでも言葉を選びながら話すので、失言率が下がるんですよね。
さらに、忙しそうにしている相手などに対しての言い方は、ワンクッション言葉のさらに前に「今ちょっと時間大丈夫?」という一言があると、相手が自分のペースを考えて聞くかどうかを判断できます。
たった一言挟むだけでも相手の受け取り方が変わることは多いですから、こういう部分に手を抜かない方がいいんですよね。
フォローその2・即座に付け加える
SNSやテレビ番組のコメンテーターで、炎上しやすい人とそうじゃない人っているじゃないですか。
たとえ同じようなことを話していても、炎上する人はするし、しない人ってしないんです。
この差って、前述したワンクッション言葉と、発言後のフォロー言葉があるかどうかなんですよ。
一例を出すと、最近よく話題になるのは、コロナウイルス問題や貧困問題。
こういった問題に対して意見を求められた場合、炎上しちゃう人って「自分が言いたいことしか言わない」んです。
でも、炎上しない人は「これは非常に難しい問題なんですけど」というようにワンクッション言葉を用いた上で、自分の考えを話し、言い終わった後は他の可能性を提示するために即座に付け加えます。
「もちろん、今話したことはこれこれこうで、こういう可能性もあるんですけど」というように、主観だけじゃなく客観視した意見も混ぜるんですね。
プライベートやビジネスシーンでもこれは同じで、「この人の話しだったら聞いてもいい」と思われてる人は、大体同じことをやっています。
勘違いしないでいただきたいのは、炎上しない人は発言をふんわりさせて濁しているんじゃなくて、相手自身にも問題について考えさせる余白を与えているところにあるんです。
つまり、当事者意識を持たせているんですね。
とはいえ、炎上しない人はそこまで考えてやってなくて、無意識であることが多いのですが、当事者意識を持てないと、ほとんどの人はその物事について考えないじゃないですか。
炎上する人だけに限らず、言葉をちゃんと受け取ってもらえない人って、自分が言いたいことしか言わないから、言われた側の人を反発を食らうんですよ。
前述したような、大勢の人がかかわる問題ではなく、個人に対しての物言いだと余計にそうなります。
「言いたいことだけを言う」だと、そこに相手の気持ちを汲み取った配慮もないわけですから、受け取り手からすると「これは個人攻撃だ」と解釈されてもおかしくないんですね。
いくら言った側がそういうつもりじゃなかったとしても、相手に「攻撃されてる」と解釈された時点で、失言になってしまうのは前述したとおり。
その事態を極力防ぐための、フォローというわけです。
フォローその3・即座に非を認める
ワンクッション言葉を用いた上で、発言後に言葉を付け加えても、相手が気分を害した場合。
これは即座に非を認めて謝罪した方がいいです。
別に悪いこと言ってるわけじゃないのに、
なんでこっちが謝らないといけないのよ!
という人がいるかもしれませんが、これは正論で相手を傷つけてしまう人によくある考え方です。
正論って、言ってる側の人は気持ちいいんですよ。
正しいことをガツンと言ってる感があるから。
でも、正論って精神状態によっては受け入れがたいものにもなるし、責められていると強く感じることもよくあります。
ここで、言われた側の人が、
言い方がキツいから、
そういう風に言われると傷つく。
と言えれば大丈夫かというと、そうじゃなくて、大体次のように返されるんですよ。
みたいな感じで。
この時点ですでに、お互いが分かってもらいたい観点が違うので、話しにならないんですよね。
なぜなら、言う側は「理屈」を分かってほしくて、言われる側は「気持ち」を分かってほしいからです。
この行き違いをなくすにはどうすればいいかというと、相手が気分を害したと分かった時点で、謝ること。
今のは言い方がまずかったね。
傷つけてごめんなさい。
そういうつもりで言ったんじゃないんだ。
というように。
他にも、「ちょっと言い過ぎたかもしれない」「あなたの気持ちを考えてなかったかもしれない」と言った後に謝罪を行うと、相手は傷ついた気持ちを分かってくれたと認識するので、そこからまた話しをしやすくなります。
でも、こっちが悪いことしてないんだったら
そこまで折れなくてもよくない?
と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、「そもそも何のために言いづらいことや、聞きづらいことを言うのか?」を考えてください。
相手にこちらの言い分を分かってもらうためじゃないですか。
「絶対に謝りたくない」というしょうもないプライドを優先するんだったら、別にそれでもいいんですよ。
でもそうじゃないなら、少しでも相手に分かってもらうための言い方を優先した方がいいですよね。
なんでも言い方なんですよ。
たとえ同じ内容だったとしても、言い方1つで相手の受け取り方は大きく変わるし、アフターフォローをすることで、さらに分かってもらいやすくなるというわけです。
ちなみに、前述した炎上しない人は、言い方をミスったときの対応がめちゃめちゃ早いです。
Twitterとかなら、「さっきのツイートだと勘違いする人がいるかもしれないので」という感じで補足ツイートを投稿したり、コメンテーターだと、「今のは私の言い方がダメでしたね」と自分の非を認めたり。
なので、発言後のフォローは「スピード」も重要だということです。
以上になります。
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- 発言前・ワンクッション言葉を置く
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- 発言後・即座に付け加える
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- 失言後・即座に非を認める
僕は物書きのプロでありながら、いまだに言い方で悩むことはよくあります。
それぐらい、言葉って難しいものなんですよね。
その上で分かっていただきたいのが、次のことです。
「なんでも分かり合えるツーカーの仲」なんてものは、お互いが言葉を交わし合いまくった先にしか生まれないもので、むしろ、そうしてもツーカーにはならないということが往々にしてあるんです。
相手にちゃんと分かってもらいたいなら、面倒くさがらずに「言葉のフォロー」を入れること。
「言わなくても分かってくれるだろう」という前提って、ひどく怠慢だし、こちらの言い分でしかないので、その点もお忘れなく。
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