実録!ホストクラブの裏側・Vol.7「裏回収編」
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闇金業者だって営業をかけにくる。
さて、久しぶりのこのシリーズですが、
今回の記事はずばり闇金がテーマです。
最近のホストクラブは知りませんが、
僕がまだ店をやっていた頃はホストと闇金業者が提携して、
お客さんにお金を借りさせるという違法行為が
横行しまくっていたように思えます。
ホストと闇金業者の中でどういう取引がなされていたかと言うと、
お店に多額の未収金がある状態で、
これ以上自力で未収金を支払うことが無理なお客さんを、
担当ホストが闇金業者に紹介するといったことが多かったようですね。
しかし闇金とはいえ、
保証人を付けないとお金を借りられない業者も多かったみたいで、
債務者を連れてきたホストを保証人に立てようとする闇金業者は多かったみたいです。
このくだりは、
「闇金ウシジマくん」でも描かれていたので、
ご存じの方もいらっしゃることでしょう。
もちろん、僕のお店では闇金業者との取引を一切禁じていたので、
スタッフたちもしっかりとそのルールを守ってくれていましたが、
それを知らずに営業をかけに来る闇金業者が中にはいました。
ある日のこと。
普通に営業をしていると、
めちゃめちゃいかついスキンヘッドの男性が入店してきました。
「ちょっとお話しがあるんで、
飲ませてくださいや~。」
あ-。
なんか揉め事の予感。
すんげー憂鬱。
と思いながらその男性を席にとおし、
フリーボトルを出したのですが、
名刺を切りながら話す彼の言葉を聞いて、
揉め事ではないと分かりました。
「私、こういう者ですけどね、
おたくのお店のお客さんで、
誰か未収して払えてない女の子いませんか?
いるでしょ?紹介してくださいや~。」
闇金の営業やないかーい!
と思って安心しましたが、
うちの店は闇金業者との付き合いは禁じています。
「そんなお客さんはいませんよ」と言って
断っていたのにもかかわらず、
この男性、かなりしつこかったんですよ。
「え?いない?
またまた~。いるでしょ?分かってんすよ?
悪いようにはしませんから、紹介してくださいや~。」
本当はいたけれど、
うちに多額の未収をするお客さんはいませんと、
いくら突っぱねてもこの態度。
しかしいかついなあこの人。
スキンヘッドに、細めの眼鏡。
ガタイが良い身体にピッタリ合った、
ダブルのスーツに開襟シャツ。
今時こんな分かりやすい格好の闇金業者がいるのか。
「この人は一体いくつなんだろう?」
なんて考えていましたが、
その間もスキンヘッドさんの営業トークは止まりません。
そろそろ帰ってくんないかなーと思っていた矢先、
空気を読んでくれたのか、
「まあ、また来ますわ。ごちそうさんでした!」
と言ってサクッと帰っていきました。
スキンヘッドさんの年齢。
闇金業者も営業するとは聞いていたけど、
うちの店に来るとはな~とスタッフたちで
話していた、その数日後。
仲の良い他店のホストくんが店に飲みに来てくれたとき、
スキンヘッドさんの年齢が明らかになりました。
「最近どっかの闇金がそこら中の店に
営業かけまくってるらしいですわ~。
うちんとこにも来たんですけどね、
めっちゃいかついんすよ。スキンヘッドで。」
僕
「えっ
それって、○○って名前の人ちゃう?」
「そうっすそうっす!
代表んとこにも来ましたか!
アイツの年齢知ってます?
23すよ!僕より年下ですわ!
マジでありえへん!」
えええええ。
23かいなー。
てっきりアラフォーやと思ってたー。
マジでありえへん。
ちなみにこのホストくんのお店も、
闇金業者とホスト間の取引は禁じられているらしいですが、
中には、お客さんの未収金を払わせるために
手段を選ばない店舗もあると言っていました。
ケツ持ちがついてるお店だと、こんなに怖い取り立てをする場合も。
とくに893屋さんがケツ持ちに付いているお店では、
企業舎弟である闇金業者を紹介されることも多いのだとか。
まあそうなってまうやろなあと思って彼の話を聞いていたのですが、
闇金業者からお金を借りて返せなかった場合、
取り立てはかなりえぐいものになると言ってましたね。
「この間なんかね、うちの店に初回で来た女の子が、
どっかの闇金に借金しとったんですよ。
しかも返せてない状態でうちに飲みに来てるのを、
運悪くその闇金業者に見つかってね。
店から出てきたときに数人の男に囲まれて、
その子、ぼっこぼこですわ。
初回の子で助ける義理もあらへんし、
僕、震えてその様子をただ見てるだけでしたよ。」
闇金業者が借金を取り立てる手口として、
債務者が警察に駆け込まないぐらいの
恐怖を与えることをするとは聞いたことがありますが、
女性にも容赦しないとは思いませんでした。
もちろん、借金をちゃんと返せている女性には、
そんな態度を取らないのでしょうが、
そういう女性にはその組が抱えている風俗店で
働くように勧誘することもあるみたいです。
裏の世界って上手く回ってんなあと変な感心をしていたのですが、
その数日後にあの男性がまた店にやってきました。
そう、
スキンヘッドさんです。
「いや~、今日はええ話を持ってきましてん。
うちの債務者がクレカ(クレジットカード)作りよってね。
審査とおらんやろと思ってたんですけど、
まさかの審査OKやったんですわ。
ほんでね、そのクレカがこれなんですけどね、
限度額20万あるんで、これで限度額ギリギリまでカード切ってください!
ほんで半分僕に渡してくれたらいいですわ!」
よそ行ってくれ!
とは言いませんでしたが、
丁重にお断りしてなんとか帰っていただきました。
「ちっ、とおしたらええのに~。
おかしなやっちゃでーほんま~。」
とスキンヘッドさんはなんかグチグチ言っていましたが、
そもそも闇金でしかお金を借りられない人間が、
カード会社の審査にとおるとは到底思えません。
おそらく彼の持っていたカードは、
違うルートで手に入れた危ない物なのでしょう。
それからしばらくの間、
僕が働いていた街、祇園では、
スキンヘッドさんを見かけることがよくありましたが、
数ヶ月もするとまったく見かけなくなりました。
日本の警察ってやっぱり優秀。
そんなある日の出勤途中に偶然、
スキンヘッドさんの年齢を教えてくれたホストくんに出会ったのですが、
彼が真相を明らかにしてくれましたね。
「アイツ、最近見ないでしょ?
パクられたらしいっす!
なんや詐欺やらかしたらしいですわ!
なんかもう1人共犯者がいたらしいんですけど、
ソイツはホストなんですって。
なにやらかしたんでしょうね?」
やっぱり。
目先のお金に目がくらむから、
そんなことになるねん。
真っ当な営業をしていてつくづく良かったと思う、
真冬の夜のことでした。
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