【かっこいい大人か】「奢り奢られ問題」について藤本が考察してみたよ。【ダサい大人か】
with onlineで160回目のコラムがアップされました。
今回は「あなたはOK?初デートでサイゼリヤ問題に見る“恋愛の本質”」をテーマに執筆いたしました。
一時期Twitter上でよく議論になった「初デートでサイゼリヤはありかなしか?問題」。
詳しくは下記ブログかコラムをご覧いただけると幸いですが、初デートでサイゼリヤは「ない」です。
サイゼリヤに限らず、チェーン店のお店を初デートに選ぶのはやめた方がいいんですよね。
なぜかと言うとこれは確率の問題であって、

って考えたときに即決じゃないですか。
この確率論を無視して、

と言う男性がいるから「それはちゃうで」と言いたかったんですね。
【初デートにサイゼリヤはありかなしか問題について、藤本が考察してみたよ。】
「初デートにサイゼリヤ問題」が出たということは、もう一つ触れておいた方がいいと思った論争があるんです。
それが何かと言うと「奢り奢られ論争」です。
この問題もTwitter上でよく議論になっていますが、実はこの論争、もっと根深いものなんですよ。
少なくとも、僕が10代のときから議論になっている問題だし、なんだったらもっと前から問題になっていると思います。
そんなわけで今回は、この論争に一つのピリオドを打つべく、奢り奢られ問題について考察してみようと思います。
目次
なぜ奢り奢られ論争は根深くなるのか?
実はこの奢り奢られ問題は「奢るべきか割り勘にするべきか」という単純な問題ではないんですよ。
これが昭和の時代だったら、「男が出した方が顔も立つしそういうもんだろ」で終わっている問題だと思うんです。
でも、現代ではそうもいかなくて、このような片付け方をしてしまうとジェンダーという新たな問題も生まれてしまうからなんです。
次の記事をご覧ください。
記事の内容を簡単に説明すると、年収800万の彼氏が毎回デート代を割り勘にするから、なんかモヤモヤするという女性の投稿がきっかけになっています。
投稿者であるこの女性の年収は、350万円。
この部分だけ見たら、

と思ってしまうのですが、この2人の立場が逆になったとき、同じことが言えるでしょうか?
実はここに問題が根深くなる原因が隠されていて、

なんて言ってしまうと、女尊男卑かよと言い出す人が出てくるし、

なんて言ってしまうと今度は、男尊女卑かよと言い出す人が出てくるからです。
現代では、「男だから」「女だから」と言ってしまうと男女不平等になり、ジェンダー問題に引っかかりやすくなってしまいます。
なので、奢り奢られ論争が泥沼化していくというわけですが、それを踏まえた上で僕の見解をお話させていただきます。
「奢ってくれないとイヤだ」とはっきり言う女性の理由。
奢り奢られ論争が起こったとき、ほとんどの女性が

と考えていることがよくあります。
この考えは、個人的にものすごく控えめだなと思うんですよ。
なぜかと言うと、お金にまつわる問題だから捉え方を間違う人が出てきたら、金の亡者扱いされてしまうからです。
そのため、誤解を生まないよう控えめになってしまうと思うのですが、中にははっきり宣言する女性もいるんですよ。

私はお金出してくれない男の人とかイヤだ。
奢ってくれないなんてありえない。
と。
ここまではっきり言える女性は、逆に潔さを感じてしまうのですが、ほとんどの男性はそうは思わないようです。

じゃあ金持ちと付き合えよ。
がめつくて卑しい女だな。
と思われてしまうんですね。
果たして彼女たちは本当にそうなのでしょうか?
もちろん、はっきりと「お金出してくれないとイヤ」という女性の中には、がめつくて卑しい人もしっかりと混ざってます。
真相は分かりませんが、旦那さんに3ヶ月で1億円以上使わせて、会社の経営が上手くいかなくなった途端に離婚した某タレントの女性が分かりやすい例でしょう。
この女性は「幸せはお金で買える」と公言していますから、そういう価値観なんだと思います。
でも、そうじゃない女性もちゃんといるんですよ。
では、なぜ彼女たちはがめつくて卑しいわけでもないのに、男性にお金を出してもらうことを望むのか?
それは「男の強さを感じたい」からです。
僕自身、二十歳の頃にこのタイプの女性と付き合っていたことがあるのですが、彼女は次のように言ってました。
「私は自分からお金出したくない。
彼氏に出してもらわないとイヤだ。
別に高いお店に連れてけとか思ってないし、吉野家でもマックでも別にいい。
私は男の人がお金を出してくれるその姿に『男』を感じるから、そこはかっこよくいてほしい」
彼女はほかにも「割り勘にしようって言われた時点でその人のことを男として見れなくなる」とも言ってましたから、男性がお金を出すことに対し、かなりのこだわりと美学があったんですね。
実際、このタイプの女性は珍しくなく、カウンセリングをしていても「私はお金を出してほしい」という方が何人もいらっしゃいました。
そしてその理由が、元カノとほぼ同じ理由だったんです。
お金を出してくれるのは、お金があるから。肝心なのは「ないときの振る舞い方」。
ただ、男性がお金を出してくれるのはあるから出してくれるのであって、別にそれが愛情の深さに直結するわけではありません。
男性にお金を出してもらいたいと考えている女性が見ているのは、「ないときの振る舞い方」なんですよ。
彼女たちはお金がなくなった途端に「今月厳しいから割り勘で」「いつも奢ってるから今日は君が奢って」と言ってくるような男性には、すぐ冷めるんだと思います。
お金がないときはないときなりに、たとえ行くお店のランクを落としてでもちゃんとお金を出してくれるかどうか。
そのお金さえ捻出するのが難しかったのだとしても、今までと態度を変えてこないかどうか。
こういった部分に、男の強さや男気を見出しているんですね。
実際、前述した元カノは「守られてる感じがして安心する」と言ってましたから、お金があるときより、ないときの態度を見ているんだなと思いました。
友人の振る舞い方を見て自分もそう在りたいと思った話。
僕にはバンドマン時代からの友人が何人もいますが、その中でも6年間苦楽をともにした元ボーカリストとは、今でも連絡を取り合うほど仲が良いです。
この友人はY君。
彼は今では海外を股にかける仕事をしていて、かなり幅広いビジネス展開をしているのですが、日本に帰ってきて仲間内で飲むときは全額を出すんですよ。
それだけ羽振りがいいんだろうなと僕も含め周りのみんなは思っていたのですが、そうじゃないときもあるようです。
ある日の飲み会で、いつものように全額支払っている彼の姿を見て、つい「金持ってるなあ」と言ってしまったことがあるんですよ。
Y君は次のように言いました。

いや、実は今結構ヤバいねん笑。
でもみんな喜んでるし、俺もおもろいからそれでええやろ。
飲むときぐらい、金の心配せんと飲みたいやん。
年下に金使わす大人にもなりたくないし。
僕は彼のこの言葉に衝撃を受けました。
Y君は「こうやって出してたら、俺があかんくなったとき誰か助けてくれるやろ」と冗談まじりに言って笑ってましたが、昔はこんな大盤振る舞いするヤツではなかったんです。
彼に対する当時の僕の印象としては、かなりお金に細かく、どちらかと言うとケチな部類の人間でした。
仕事が上手くいっているからお金を出すようになったというわけじゃなく、どこかで考え方が変わったんだと思います。
毎回、会う前に「なんで考え方変わったん?」と聞こうと思っているのですが、積もる話がありすぎて、いつも忘れちゃうんですよね。
でもY君が変わった経緯がどうであれ、僕は彼の姿と姿勢に感銘を受け、自分もそういう大人で在りたいと思うようになりました。
彼のような大盤振る舞いはできないけれど、少なくとも年下の子や女性と会うときは、全部自分が出すと決めたんですね。
なぜそう思ったのかと言うと、単純にそうすることが「かっこいい大人の男」だと思ったからです。
実際、Y君を見て心底かっこいいと思ったし、僕がそう思ったのは親の教育もあると思います。
母は「金払いの悪い男は最悪やで」と常日頃から言っていたので、「お金を出し渋る男性=ダサい」という価値観が自分に根付いているんだなと感じました。
気風のいい男性を見て「かっこいい」と思うのか「使える」と思うのか。
ただ、Y君のような人間が周りにいると、少なからず

と思う人間もいるわけですよ。
そう思っている人間が、その思惑を口に出してるところを見たことはないけど、雰囲気でなんとなく分かりますからね。
ここで奢ってもらうことに甘んじている人間は、いかにお金を出さないかを考えます。
しかし、気風の良さをかっこいいと思う人間は、どうしたら自分がそのようになれるかを考えます。
なので、奢り奢られ論争で「少しでもお金を使いたくない男性」が毎度登場するのは、奢ることがかっこいいと思ってない男性になるんですよ。
結婚相談所で、お見合いが決まったときに

1,500円のランチじゃないとダメですか?
800円だったらダメですか?
みたいなことを仲人さんに聞く男性会員がいると聞いたことがあります。
奢ることをかっこいいと思っている人間からすると、こういう男性はめちゃめちゃダサいと思ってしまうんです。
これはジェンダー問題を抜きにして言いたいのですが、「男はこうあるべき」ということを言いたいわけじゃありません。
「こういう大人の男はかっこよくて、こういう大人の男はダサい」という話なんですよ。

と言ってくる男性もいると思いますが、残念ながら世間ではそう見てくれないのです。
気風よく奢ってくれる男性の方がスタイリッシュでスマートに映るのは、時代が変わった今でも同じなのです。
それが現代ではジェンダー問題に引っかかるし、それを盾に反論してくるダサい男性がいるから、あまり大きな声で言えなくなっただけなんですよね。
というか、こういうときだけ都合よくジェンダーを出してくるくせに、普段は男尊女卑という男性が沢山いますから、ほんと都合がいいよなあと思います。
とはいえ、収入的に奢りたくても奢れない男性もいる。
よく「若者の○○離れ」が取り沙汰されますよね。
お酒離れ、車離れなど色々ありますが、ほとんどの記事では「昔の世代と今の子たちの感覚が違う」と片付けられています。
でもそうじゃないだろと。
給料が少なくてお金がないから、欲しくても手を出せない人が沢山いるということを、なんで伏せるんだよと。
まあこういうことをバシッと書いてしまったら問題があるから伏せてるんでしょうね。
実は、奢り奢られ問題も同じ現象が起きていて、奢りたくても奢れない男性が現代では増えてるんですよ。
それが、若者の恋愛離れにつながっているのも、大きく関係があるのだと思います。
だって、かっこいいところを見せたいのに見せられないわけですから、

と考える男性がいても、なんらおかしくはないからです。
僕はこういった男性にまで奢るかっこよさを求めるつもりはありません。
そうしたいのにできないのって、つらいよなと思います。
でも、

お金がないからしょうがない。
だから諦めるか。
と思うのか、

と思うかでは大きな違いだと思うんですよね。
後者のように思えなかったとしても、

と考えるだけでも違うと思います。
実際、気風よく人にバンバン奢れる男性が、かつてはすごく貧しい子ども時代を送っていたなんて話は珍しくありませんよね。
なので、ハングリー精神やサバイバル能力って大事なんです。
この2つがあれば、お金を稼げる人間になるし、人生を切り拓く力もちゃんとつきます。
女性には女性で、奢られることが当たり前だと思うなと言いたい。
まだ京都に住んでいたとき、経営者だけが集まる異業種交流会に参加していたのですが、飲んでるときに「女性に奢ったときのリアクション」の話になったんですよ。
その中で男性会員の1人が次のようなことを言ってました。
「別に金出すのはかまへんねん。
それに、ありがとうって言われたいわけでもないねん。
でも、出してもらえるのが当たり前やと思われるのは違うわ。
金は払うから、少なくともそれに対する敬意は払えよって思う」
その場にいた男性会員は僕も含め全員、うんうんと頷いていました。
個人的に「金は払うからそれに対する敬意は払えよ」って名言だなとも思いました。
僕も、自分がお金を出したときは、ありがとうと言われたいわけでも感謝されたいわけでもない。
でも、ありがとうの言葉すらなく当たり前のような顔をされると、

となります。
「男が奢って当たり前」と思っている女性からすると、僕のようなタイプの人間はケチくさいと思うのかもしれませんが、そうじゃありません。
これは「親しき仲にも礼儀あり」の話なんです。
よくある話で、結婚相談所でお見合いした男性があり得なかったとき、ボロカスに言う女性がいるそうです。
しかし仲人さん曰く、大体相手の男性も同じようなことを思っているそうなんですね。
つまり彼女たちは、お姫様扱いされて当たり前という前提なので、自分からもてなそうという気がまるでないんですよ。
会話も相手から、楽しんでもうおう、喜んでもらおうという配慮も相手から、おまけにお金を出してもらうのも当たり前。
このような傲慢さって言わなくても態度に出ているものだし、何より接する相手は視覚と聴覚を通じてこちらを見ているわけだからバレてます。
何で聞いた話か忘れてしまったのですが、食事に行くと会計のとき必ず財布を出す女性の話をある男性タレントがテレビ番組の企画内でしていました。
彼は絶対に彼女にお金を出させず、毎回奢るそうなんですね。
でもこの女性は、毎回財布を出して自分も払おうとするんだとか。
そんなある日、ひょんなことで彼女の財布の中身が見えてしまったそうです。
そしたら、お札が一枚も入ってなかったらしく「払おうとしてるだけで払う気ないやん!」みたいな話でした。
この話を聞いていたほかの出演者たちは「怖い女やなあ」みたいな感じで言っていたのですが、僕はそう思いませんでした。

と思ったからです。
もしかするとこの女性は、財布の中身を見られたとき、たまたまお金をおろすのを忘れていただけかもしれませんからね。
つまり、

という気持ちや態度が敬意なんですよ。
なにも、いつもへりくだったり申し訳なさそうにしたりする必要はなくて、気持ちと態度の問題なんですね。
この敬意が一切ない人は、会計時に財布も出さないしありがとうも言わないし、してもらって当たり前だと思っています。
関係が深くなってきて、絶対に相手が奢ると分かっていたら毎回財布を出す必要はないかもしれません。
それでも「ありがとう」や「ごちそうさま」を言うのは当たり前だと思うし、これは敬意であり礼儀なんですよね。
親しい人だからこそ、ちゃんとしておきたい部分になると言えるのではないでしょうか。
付き合ってからは臨機応変に。
奢り奢られ問題は初デートにサイゼリヤ問題と同じで、付き合ってからは話が変わってくるところがあります。
付き合ってからだと、デートでサイゼリヤに行くのは全然ありだし、むしろノリノリでチェーン店に行くこともあると思います。
初デートでチェーン店を選ぶからよくないという話なんです。
奢り奢られ問題も、付き合ってからだと話が変わってきます。
彼女である女性が、

という日もあるだろうし、

ごめん、今月ちょっとピンチでさ。
今日割り勘でもいい?
という日もあると思います。
もちろん、前述した元カノのような価値観の女性には割り勘を提案できません。
でもその限りではないなら、たまには割り勘をお願いする日があってもいいと思うんですね。
生きてると何が起こるか分からないので、一気にお金が飛んでったという事態が絶対に起こらないとは言い切れません。
それでも基本は、どれだけ付き合いが長くなっても男性がお金を出している方がスマートに見えるのは間違いないです。
たとえば、1,000円以内のランチを2人で食べて、会計時に

と男性が言ったら、きっとレジの人も複雑な気持ちになると思います。
これを言ったのが学生の男の子だったら何も思わないかもしれませんが、そこそこのいい大人が言ったのだとしたら

と思うのではないでしょうか。
これが仕事の昼休みとかで同僚同士での食事なんだったら話が変わってきますが、デートだとそうはいかないんですよね。
どんなに時代が変わっても、男性が奢る方がスマートに見えるのは変わらないし、そこその年齢になって割り勘を望む男性が敬遠されるのは間違いないということです。
以上になりますが、奢り奢られ問題はジェンダーを挟んだ途端に泥沼化してしまうのですが、ようは「かっこいい大人の男性とは?」という定義なんですよ。
でもここで、

と強制すると、おかしくなってしまうんです。

かっこいい大人の男性は女性に奢るのが当たり前。
だから、いい歳こいて女性に割り勘を求めてたらダサいって思われるよ?
それでもいいなら勝手にどうぞ。
という話なんですね。
なので、定義の問題を強制するから論争になるというわけです。
-
- 男性が奢った方がスマートに見えるのは昔から変わらない
-
- 女性は奢ってもらうことを当たり前に思わない
これが定義であって「あとはご自由に」ということではないでしょうか。
ただ、この定義を無視する男女は嫌がられても知らないよというわけです。
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