【それって恋愛感情じゃ】恋心と錯覚しがちな「性別の承認」について教えてやんよ。【ないねんで?】
目次
「性別の承認」ってなんじゃらほい?
withonlineで51回目の連載がアップされました。
今回のテーマは、「性別の承認」についてです。
僕が「性別の承認」と呼んでいるものがありまして、それはなんなのかというと、「自分は男である」「自分は女である」と性別の実感をしたときに得られる快感のことなんです。
この快感を得たいがために、特定の異性に執着している人が男女問わず多いのですが、彼ら彼女らは「好きなんだ」と自分の気持ちを信じて疑っていないので、ただの執着心を恋愛感情だと錯覚しているんですね。
では、具体的にどういった場面でこの快感が得られるのか、ケースごとに解説させていただきます。
承認ケースその1・異性にチヤホヤされた
これが性別の承認を得る上で、一番多いケースになります。
どういうことかというと、異性に「特別扱いされた」と認識したときに、生まれるんですね。
特別扱いというのは、「優しくされた」「ほめられた」「認められた」というようなことです。
相手からするとまったくそういうつもりはなくても、こちらが「特別扱いされた」と「錯覚」した瞬間から、この性別の承認が満たされます。
たとえば、水商売の世界は疑似恋愛の世界だといわれることが多いですが、ホストやキャバ嬢が色恋営業を使ってお客さんを足繁くお店に通わそうとするのは、まさしくこの性別の承認をくすぐっている行為だといえるでしょう。
言うまでもなく、異性にチヤホヤされた経験が少ない人ほど、性別の承認をくすぐられると舞い上がってしまうのですが、次のようなケースも。
若いときにチヤホヤされることが多かったとしても、年齢を重ねてからその経験が少なくなった人も、自分の性別を実感すると舞い上がることが多い。
学生時代はすごくモテたけど、社会人になってから年々モテなくなってしまった人、結婚してからまったく異性との絡みがなくなった人などが、このケースに該当します。
相手からグイグイ来られて好きになってしまったという人の多くは、性別の承認を過剰にくすぐられたことが原因の発端である場合がほとんどです。
モテる男女って、異性からグイグイこられても冷静ですからね。
ちなみに、容姿が整っている人がルックスをほめられても嬉しく感じないのは、日頃からチヤホヤされて性別の承認を得ているからです。
承認ケースその2・特定の異性と共に過ごす時間が長い
仕事などで、特定の異性と一緒に行動する時間が長いと、性別の承認を求めるようになることが多いです。
特定の異性と長い間時間を共有していると、それまでなんとも思ってなかった相手に対して「ドキッ」としてしまう瞬間があります。
このとき、相手のことを異性として認識しているので、そこからどんどん気になってしまい、「好きなのかもしれない」と錯覚することがよくあるんですね。
素敵な異性を沢山知っている人なら、「思わずドキッとしたけど、そりゃあこの人も男(女)の部分はあるよな」で終わりなんですが、そうじゃない人は、相手を異性として意識した気持ちの答え合わせをするために、「ドキッとポイント」が他にないか探そうとするんです。
だから、どんどん気になってしまうんですよ。
さらにこのとき無意識に、「自分のことも女(男)として見てほしい」と思っています。
そんなときに、相手にチヤホヤされて特別扱いされたと錯覚すると、「この人のこと好きなんだ!」と一気に舞い上がってしまうんですよ。
そして、「もっともっと、自分のことを女(男)として見てほしい」と承認を追い求めてしまうわけです。
承認ケースその3・自分の性別を実感する場面に遭遇した
たとえば男性だったら、格闘技の試合やヤンキー映画などを見て、「男としての血が騒いだ」。
女性だったら、恋愛ドラマや可愛いファッションなどを見て、「女としての血が騒いだ」というケースです。
その騒いだ血を鎮めるために、異性に性別の承認を追い求めることが結構あるんですよね。
これは女性のほうが多いように感じますが、恋愛ドラマを見てキュンキュンし、「私も恋がしたーい!」となるのが該当します。
男性の場合はどちらかというと、「自分の強さ」を誰かに証明したくなるので、その相手が異性でなくてもかまわないんですよね。
これもまた性別の承認になるのですが、ヤクザ映画などを見て、自分もアウトローの気分になってしまい、言葉遣いや態度が悪くなるとかが分かりやすい例かなと思います。
女性の中でも、「これ、超可愛くなーい?」と、してもらったばかりのネイルや買ったばかりの服を女友達に見せ、好反応を得ることで、自分の女性性を実感している人はいますよね。
一緒にするのは忍びないけど、同じことなんです。
ほかにも、素敵な異性を横に連れて歩いているとき、「めっちゃ可愛い子連れてるね」とか「めっちゃイケメンの彼氏じゃん!」と誰かにほめられたりすると、「そんな素敵な女(男)を連れて歩いている自分」と悦に入る場合も、性別の承認を得ています。
以上が、性別の承認を通じて快感を得る3つのケースなのですが、「1」のケースを経験したことにより舞い上がってしまい、恋愛感情と錯覚する男女があまりにも多いです。
いくら気持ちが舞い上がったとしても、残念ながらそれは恋愛感情ではありません。
忘れかけていた自分の男性性、女性性が刺激されたことにより、「もっと刺激してほしい!」という欲求を追い求めている状態が、自分でも恋愛感情なのか執着なのか分からないまま突き進むから、「好きなんだ」と錯覚してしまっているんですね。
恋愛感情って、その人のことを思うとジーンと胸が熱くなったり、キュンとしたり、ただ「好き」という混じり気のない気持ちなんです。
そもそも、性別の承認を相手からされたといって、「その人が好き」とはならないんですよ。
なぜなら恋愛感情は、何をしたら好きになってもらえて、何をされたら好きになるというものではなく、本能的なものだからです。
【参照記事】
なぜ人は執着恋愛に足を踏み入れてしまうのか?
執着恋愛に足を踏み込む女性は、最初に性別の承認を相手からされたことが発端になっている場合が多いです。
具体的にどのようなプロセスになるのかというと、次のようになります。
いい人が見つからない時に出会った
↓
最初は何とも思ってなかった
↓
相手からグイグイ来られて舞い上がり、気持ちよくなってしまった
↓
以前より相手が冷たくなって、不安になり「好きだ」と錯覚
↓
相手から「好き」とか「付き合おう」の言葉を必死に引き出すことが目的になる
そして、執着すればするほど、下記の項目に該当するようになります。
-
- 出会った頃の相手の食いつきが今も持続してると思っている
-
- 相手の悪い部分に目を向けずに美化
-
- 側にいれば振り向いてくれると思っている
-
- この人しかいないと思い込む
-
- ちょっと優しくされると自分を丸ごと受け入れてくれたと錯覚
-
- とにかく現実が見れてない
これらは「その人にとって必要な人物なら、かならず現れるんだよ論。」でもお話した内容になりますが、執着恋愛をしてしまう人ほど、「自分の本当の気持ち」に目を向けないんですよ。
もちろん、どんなにモテる人だって、「この人のことを好きかもしれない!」と異性に思う瞬間はあります。
しかし彼ら彼女らは恋愛経験の数が多い分、「本当の好き」とはどういう気持ちなのか、すでに経験済みなので、舞い上がってのぼせているだけなのか、そうじゃないのかが分かるんですよね。
恋愛感情に限らずなんでもそうですが、「比較対象」がないと人は物事を天秤にかけることができません。
この場合は、「本当の好き」と「一時的な感情」との比較ですね。
相手に対して「いいな」と思える部分が増えていくと、「好きかもしれない!」と思います。
そうすると、人は無意識の内に相手を好きだと思っている証拠探しをするようになります。
このとき、相手に対する違和感を覚えることがあるんですよ。
それは、漠然とした「あれ?なんか違う」という感覚。
そしてこの感覚は、「好きだと思ってたけど、好きじゃないのかも」というものです。
この違和感に目を向けられない人は、そのまま執着恋愛に足を踏み込むんですね。
多くの人は、自分が正しいと思ったものや信じたものが、「もしかしたら間違ってるかもしれない」と疑わないんですよ。
なので違和感を覚えても、「いや、きっと好きなはず!」「こんなにいいなと思える人、最近いなかったし!」というように、今現在の気持ちに目を向けないんですよね。
執着恋愛をして長期間相手から離れられない人は、そこに時間やお金がかかっていることもあり、元を取ろうとする意識も働いています。
「こんなに時間を使ってるんだから」「こんなにお金を払ってるんだから」というように。
はっきり言うけど、
今現在の気持ちが今の自分の気持ちやねん。
ちゃうなと思ったらちゃうし、変やなと思ったら変やねん。
今の自分の気持ちに目を向けることができる人は、違和感を覚えた際に「なんでそう思ったんだろう?」と、違和感の正体を突き止めようとします。
そしてその正体が特定できたとき、「だから違うと思ったのか」と納得し、「好きだと思ってたけど、恋愛感情じゃなかったんだな」と今の自分の気持ちを認識するんですね。
ちなみに、「あまり人を好きになれない」という男女の多くが、無意識にこの確認作業をしているという背景があります。
しかし、執着恋愛に足を踏み込む人の多くが、過去の自分の気持ちにしがみついてしまうので、「好きに違いない」と疑わないんですよ。
相手に対し、違和感や不信感が沢山でてきているのに、「だって彼(彼女)も良いところはあるし」「きっとそんなに悪い人じゃないはず」と美化が止まらない人は、「好きだ」と思った自分の気持ちも、自分が選んだ相手のことも疑いたくないというわけです。
だから、どんどん執着するようになるわけです。
執着から覚めるとき。それは「逃げられない現実」を突きつけられたとき。
執着恋愛をしてしまう人は、今の自分の気持ちに目を向けられないだけではなく、何かから逃げたい気持ちからそうなることもよくあります。
不倫恋愛に足を踏み込む人のほとんどが執着恋愛をしていると僕は思っているのですが、そういった人たちの「なぜ不倫したのか?」という原因を掘り下げると、「旦那さん(奥さん)と上手くいっていない」という根本にたどり着きます。
それに、「パートナーと上手くいってる?」という質問に即答で「うん」と答えられない人って、いくら表面上は上手くいっていたとしても、何かしらの問題を抱えているんですよ。
それは、「旦那は好き好き言ってくれるけど、私はそこまでじゃない」とか、家庭ごとに色々ありますよね。
ちなみに、不倫相手の男性が運命の人だと信じて疑わず、その証拠探しをするために「不倫 ツインソウル」という感じで検索かけちゃう女性って、すでに現実を見れていませんし、その相手は運命でもなんでもありません。
現実世界で起こっている問題から目を背けて、スピリチュアルに逃げている時点でアウトなんですよね。
なので、不倫関係で現実を見れていない人の多くは、「家庭の問題から逃げたい」という気持ちが、「誰かにすがりたい」に切り替わり、そこで性別の承認を得られるとたちまち気持ちよくなって、抜け出せなくなるんです。
逃げたいという気持ちが大きければ大きいほど、その分反動がすごいので、不倫相手に求める承認が大きくなるんですよ。
「なんだかさみしい」という気持ちをさかのぼってみると、「逃げたかった」という本当の気持ちに行き着くことは、別に珍しいことではないんですよね。
ほかにも、仕事から逃げたすぎる男性が、飲み屋の女性に過剰に入れあげてしまうとかも、この原理に該当するので、これは男女共通してよくあることなんです。
もちろん、生きていたら誰だって逃げたくなるときはあります。
何かにすがりたくなるときだってあります。
それが悪いことなんじゃなくて、逃げれば逃げるほど性別の承認を求める反動が大きくなり、自分の気持ちも現実で起こっている問題からも目を背けてしまい、場合によっては取り返しがつかなくなることだってよくあるんですよ。
つまり、逃げた分だけ反動がくるのは承認を求める度合いだけじゃなくて、積み重なった現実問題も同様なので、「これ以上逃げられない」という段階に差しかかったとき、一気に現実を突きつけられるということなんです。
数年前に、会社員の男性が元キャバ嬢の女性に、会社のお金を6億円使い込み逮捕されたという事件がありましたが、まさしくこのケースが該当するといっていいのではないでしょうか。
犯罪につながることは一度手を染めてしまうと、「後に引けない」となる場合も多いようですが、そうじゃないなら、どこかのタイミングで現実で起こっている問題と向き合わないと、逃げた自分に時間差ですべて降り掛かってくるんですよ。
それは、不倫恋愛だけじゃなくて、付き合わずして身体の関係を持ってしまい、ズルズルと関係を続けている女性も同じ。
性別の承認を追い求め、執着恋愛に時間を費やした先の末路は、時間とお金をかけた分だけ悲惨です。
僕が見てきた限り、その先に執着した相手と幸せをつかんでいる人は、
一人もいませんでした。
現実を突きつけられたとき起こるもの、それは「虚無」です。
自分が信じてすがりついていたものは実在しなかったと分かり、「自分は今まで何をしていたんだろう」とむなしくなるんですよ。
どうか、今の自分の気持ちにしっかりと目を向けてください。
そして、自分が信じたものや正しいと思ったことを過信しないでください。
冷静に、その都度その都度自分の気持ちを確認し、違和感を覚えたときに、その気持ちに「なぜそう思うんだろう?」と疑問を投げかけて答えを出すことで、執着恋愛を未然に防ぐ確率が格段に上がります。
過去の気持ちを否定すると自分自身を否定することになるので、それができないという人が多いですが、これは否定じゃなくて、「気持ちの上書き行為」なんですよ。
「今の気持ちが変わった」
「思い込んでいたことが違った」
ただそれだけのことです。
大事にしないといけないのって、今の自分の気持ちなんですよね。
性別の承認を求めて、執着恋愛をしてしまう女性が一人でも居なくなることを、僕は心より願っております。
そのためにも、日頃から自分の女性性を実感する機会はできるだけ持っておいたほうがいいので、その点はお忘れなく。
日常的に、「私もまだまだ捨てたもんじゃない!」と思える機会を「自分で」作るようにするって、めちゃめちゃ大事ですよ。
そういった女性は執着恋愛をしにくいし、周りがなんと思ってようが、自分で「まだまだいける」と思ったもん勝ちです。
【withonlineコラム】
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